サールナート法輪精舎訪問記
2010年10月22日〜10月26日
 


はす2010年10月20日、ゲストの一善さんと成田空港から出発。彼はインド初渡航。夏に放映されたテレビ東京「世界を変える100人の日本人」に感動し、二人旅となりました。
 皆様からお預かりの大切なご寄付金や衣類やノート、住職の健康にかかわる煮干しほか、水戸名物・乾燥納豆ほかの食材を詰めて、当日の夕方デリー着。22日昼バラナシ空港着。ご住職、学校運営の正副マネージャーに出迎えていただきました
事務局員は3年振りの渡印だが、デリーでもサールナートでもとにかく道路工事や下水道工事による土埃に悩まされた。
到着日の夕食は、持参のレトルト「とり釜めし」を細長米と圧力鍋で炊きこみご飯となり、美味しかったです。

はす23日の朝礼と授業を見学
現在校舎増築中のためレンガや砂利が朝礼の敷地を占領している

いつも変わらぬ規則正しい朝礼風景

レンガの部分2階と3階分を増築中
 さて教室に移動し、住職の英語授業を見学します。膝の神経痛がひどくなり松葉杖が離せなくなった住職を、生徒たちはごく自然にサポートしています
年配の英語の先生は文法にやや弱点があり、若い生徒のほうが辞書を使いこなせるので、優秀な生徒は教師の代行が出来るそうです。

廊下を生徒と歩く

授業をチェックする

生徒が先生
 仏教を基本とする学校らしく各教室に釈迦の絵が掲げられている。
住職の授業が終わる頃、わらわらと下級生が紙とペンを手に廊下の両端に座り始めた。
テストだという。教室がすし詰めのためカンニング防止として、テストは廊下で行う。
この方針が結局実力を養い、国家試験合格率に反映され優秀校として認められてきたのである

教室には釈迦の絵

1メートル間隔に

規則正しく座り

一心不乱に書く
 校舎の完成により、いよいよ中学に続き、高校も州政府の認可を受ける運びだそうです。「そうなれば報酬を多く出せるようになり、若い優秀な先生を確保出来る」と、ご住職は安堵の表情。
壁に「この校舎部分は州議会議員からの寄贈である」という銘板が掲げられていた。

校舎増築により狭くなった校庭を校舎裏に整備中で、バレーボールなど球技ができるようになる。
帰る間際この学校を卒業した生徒で、大学を終え英語教師として戻ってきた女性に会えました。
彼女はまもなく結婚の予定だが教師を続けるという。ご住職の感慨はいかほどかと察せられた。

造成中の校庭

一般家庭科教室

英語の先生と

 現在校舎は1階と2階に16部屋、内職員室と事務室。増築中の3階は理科室と実験室そして図書館とトイレが出来る予定。へこんだ隣の土地を購入し真四角にしたいが、インド経済の発展に伴う土地の高騰が、それを阻んでいる。

 インドでは中学高校でも進級の途中に国家試験があり、その会場に来年はダルマ・チャクラ・スクールが選ばれる予定だとか。その間授業がストップするので問題はあるが、カンニングが多い現行会場を交代させたいのがその理由だとか。信用や格付けと授業ストップの天秤は頭の痛いところ
現在は当初ほどの無料援助する生徒は少なくなったそうです。この学校から優秀な生徒が社会を変えてゆくような人材に成長することを祈ります。

はす24日は日曜学校の日。7時半頃から三々五々子供たちが集まってくる。相変わらず楽しそうにやってくる。しかし目を引く変化は衣服がたいそう小綺麗になっていたこと。なかにはインド映画の子役になれそうな美少女もいる。

お経を唱和

英語や算数を唱和

到着順に並びパンとビスケを
 学校が発展し生徒数が増えても、何年も変わらぬこのスタイルの日曜学校が、ここ法輪精舎の原点であり、地域で信頼され続ける所以だと思います。
お経を唱える右のお坊さんは、お寺のゲストハウスに滞在しながら、インド修業中の高野山阿弥陀院のご住職。インドはもちろん海外旅行初めてのご住職で11月下旬帰国のご予定だそうです
(テレビ番組を見て、ではありませんでした。訂正です。法輪精舎のWebサイトをご覧になりけサールナート行きを決意されたとのことです)
 

嬉しそう

兄弟仲良く

3年前と同じ人

また来週・・・
 季節の関係か?人数が減っているように感じた。施食の手伝いをする白い帽子の青年が一善さん。

手前の大きな青年は卒業生で現在大学生。大変まじめで優秀だそうです。毎日大学からの帰りにお寺へ寄りパソコンを借りてキーボード早打ち操作の練習をしている。日本の支援者から奨学金を受けられるようになったそうです
別の大学生も奨学金を受けられることが決まり、ご住職は購入した教科書の明細や期ごとの成績報告書を送る用意をされている

はす課外授業1
日曜日は午前中の英語の補習と午後の日本語教室があり、ご住職の担当です。

英語の補習は2階オープン教室

1階日本語教室は現在4名

教材。話すより書くのが難しい

はす課外授業2
サールナートを離れる日の12時から「パーリ語」の補習授業。仏教系の学校だから必修科目である。 優秀な生徒が板書しながら先生役を。読本や辞書を駆使し、英語をパーリ語に、パーリ語を
ヒンディー語にと若い先生は器用に授業を進める
 

読本や辞書をつかって

先生役の生徒

熱心に学ぶ生徒
 現在学校の敷地が工事資材で狭いため、お寺の本堂奥が自転車置き場になっている。生徒たちは「グッバイ、グルージー」と口ぐちに声をかけながら帰ってゆきます。その門扉を守っている家族はムスリム。宗教で差別をしない教育を実践するご住職ならではです。

挨拶を欠かさない

子供をあやす住職

さっぱりと

はすお寺の1階で、手芸や美容技術を教える職業訓練のような授業もある。女性の自立を目指す
3ケ月コース、6ケ月コース、1年コースが用意されており、女学生ばかりの賑やかな教室でした

本堂には、2008年タイ寺から寄贈された立派な仏像が安置されている。猛暑の日もバケ
ツをひっくり返したようなスコールの日も、お釈迦様は等しくみんなを見守っている。
友の会の支援ほか大きな支援の輪が広がり、学校は発展しつつあります

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